あさのぶんこ

あさのは小説を描いています

鳥になりたかった少年

 担任からいじられるようになった少女はやがていじめを受けるようになる。クラスの変化に息苦しさを感じた少年は少女に手を差し伸べる。少女の不可解な入院。教師たちの不審な行動。少女に何が起こったのか?真実を確信した少年は心のままに動き出す。人間が本質的に持つ行動の原理。子供達は本能と感情の間を揺れ動き行動を起こす。未完成な人間たちから立ち上がる物語。人間とは何かを考えてみる。

 

 

鳥になりたかった少年

 

 【書籍情報】

193ページ(30x20レイアウト)

著   者: 浅野 直人

分   類: 学校ドラマ

キーワード: いじめ、子供、人間

 

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【著者から一言】

 子供は確かにその人生経験の欠乏から、物事に対処する能力が大人と比べて劣っているかもしれません。でも、その行動原理は実は子供も大人もそんなに変わらないような気がします。目の前の事象から発生する感情、他者から受ける影響、そこから生まれる本能的な行動。人間はその年齢に関わらず、すべからく喜怒哀楽に代表される感情に従って本能的に行動を起こす生き物なのでしょう。

 また、人間は言語というツールを使い、過去を記録し、それを歴史として未来に生きる人々に道標や教訓を伝えようとします。しかし、どうでしょう、人間は歴史を認識しながら、何度でも同じ行動を繰り返す。頭で理解はしていても心から湧き上がる感情には抗えない。それが人間という生き物の本質なのだと思います。

 この物語は学校でのいじめをストーリーの構成要素として描いていますが、いじめに対する批判を主張するものではありません。経験的には、むしろ、軟禁状態の環境の中で一方通行の教えが行われる今の教育システムの中で、心を病み他者に意地悪をする子供がいない方がおかしな話だと思えなくもありません。

 人間は何年やっても人間であり、それ以上でもそれ以下でもありません。かと言って簡単に一言で定義できるものではなく、どんなに良い教育を受けても完璧な完成形はない。では人間とは何か?時々、そんなことを考えてみたくなるのも人間。人間という不可解な生き物の生態を覗き見る。そんなありふれた物語をお楽しみください。