あさのぶんこ

あさのは小説を描いています

からすのお頭

 夫を亡くした老女は人生の指針を失い呆然とした。この先自分はどうやって生きてゆくのだろう。初めての一人暮らし。新しい出会い。人生を彩る熱中。人はどのような状況に陥っても逞しく生きてゆく。しかし、老いの影はひたひたと背中を追いかけてくる・・・。人生の秋を生きる人々。そこに見えるのはどんな景色だのだろう。誰もが最後に向き合わなければならない人生の終盤。その時、自分はどう生きるのか。人生をどう振り返るのか。さまざまな心模様を想像し、その時に向けた心の準備体操をしてみませんか。

 

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からすのお頭

 

 【書籍情報】

181ページ(30x20レイアウト)

著   者: 浅野 直人

分   類: 人生、人間ドラマ

キーワード: 老後、人生、認知症

 

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【著者から一言】

 人生100年。そんな言葉が聞かれるようになりました。100歳と聞くと、一昔前は驚くほどの長寿と思われましたが、今では身近に100歳を超える人がちらほらいて、本当にそんな時代になってきたのだなと実感します。しかも、80、90代でも元気に活動されている方も多くて、その若々しさには驚くばかりです。

 ただ、全ての人が順風満帆に長く生きられるわけではなく、老いとともに衰えてゆく身体、慢性的な病気などとうまく付き合いながら生きることを余儀なくされる人も多いと思います。この物語は物忘れや記憶を失っていく自分と向き合う一人の老女の姿を描いています。

 連れ合いは。子供たちは。友達は。好きなことは。絡み合う関係性の中で残された人生をどう生きるのか。老いとままならない身体とどう向き合うのか。長い人生を重ねてきたからこそ生まれ出る信念・諦観のようなものがそこにはあるような気がします。

 例えば、第二、第三の人生。そんな生き方もこれからの時代は普通にできるようになるのかもしれません。そして、今後は新しい人生スパンに合わせた新しいライフスタイルなるものが様々に出てきそうです。物語では記憶を喪失してゆく女性の姿を描いていますが、変わりゆく人生スパンの中で自分はどう生きるのか。生きてきた人生を振り返り何を思うのか。そんなことを考えながら物語をお楽しみください。